取引業者からのリベートなど約1億2千万円の収入を申告せずに約5千万円を脱税したとして、所得税法違反の罪で起訴された日本大学前理事長・田中英寿被告(75)の初公判が15日午後、東京地裁であった。田中前理事長は「起訴された事実を争う気はありません」と述べ、起訴内容を認めた。
田中前理事長は昨年11月に東京地検特捜部に逮捕され、12月に起訴された。当初は現金の受領自体を否定していたが、最終的には「妻からお金をもらったと後で聞かされた。給与所得と不動産収入だけ申告するよう妻に指示した」などと脱税を認めたとされる。公判では、こうした自白の信用性や、大半は妻が受け取ったとされる現金が全て前理事長に帰属するといえるかなどが焦点になる。
取引業者からのリベートなど1億2千万円隠す
起訴状などによると、田中前理事長は2018年に1千万円、20年に1億820万円の計1億1820万円の収入を税務申告せず、計約5200万円の所得税を免れたとされる。
計1億1820万円の内訳は、医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)前理事長・籔本雅巳被告(61)=背任罪で起訴=が計7500万円▽金沢市の建設業者が3千万円▽大阪府内の設計事務所が1千万円▽日大元理事・井ノ口忠男被告(64)=同=が自ら拠出したり6業者から集めたりした計320万円――とされる。
特捜部は田中前理事長の妻も…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル